賃上げへの期待と現状のギャップを探る:2024年意識調査の結果から

賃上げに関する意識調査結果の概要
賃上げに関する意識調査結果の概要

Indeed Japan株式会社は、20歳から59歳の正社員2,400名を対象に「賃上げに関する意識調査」を実施しました。この調査は、2024年度上半期の賃上げ状況や、今後の賃上げに対する希望を明らかにすることを目的としています。

2024年度上半期の賃上げ実態

調査によれば、2024年度上半期に基本給が上がったと回答した人は全体の51.9%でした。しかし、その中で賃上げ率に満足していると答えた人は49.7%にとどまり、半数以上が賃上げに対して不満を抱いていることが分かりました。

今後の賃上げに対する希望

次回の賃金改定で希望する賃上げ率は平均で7.6%(月額約2.3万円)となり、2024年度上半期の実際の賃上げ率1.7%の約4.4倍に達しています。特に40代では希望賃上げ率が平均7.9%と最も高く、実際の賃上げ率との差が大きいことが特徴的です。

賃上げ希望の理由

全世代共通で最も多かった理由は「物価上昇によって生活費の負担が増えているから」(45.0%)でした。次いで、40代・50代では「老後の資金を貯めたいから」(33.6%)、20代・30代では「将来が不安だから」(29.0%)が多く挙げられています。

賃上げに向けた取り組み

賃上げに向けて取り組もうとしていることとして、「仕事で成果を出す」(35.0%)が最も多く挙げられました。しかし、「特に何もしようと思わない」と回答した人も30.9%おり、自分の成果が賃金に反映されないと感じている人が一定数存在することが示唆されています。

賃上げと生活への影響

賃上げにより基本給が増えた人のうち、物価高の影響が昨年度より小さくなったと感じる人は18.0%にとどまり、逆に影響が大きくなったと感じる人は32.9%に上りました。これは、賃上げが物価上昇に追いついていない現状を反映しています。

増加分の賃金の使い道

増加した賃金の使い道としては、「貯蓄」(38.1%)が最も多く、次いで「投資」(36.1%)、「生活費」(31.6%)となっています。特に20代から40代では、投資に充てたいと考える人の割合が貯蓄を上回っており、NISAなどの国の施策や経済状況の影響が伺えます。

まとめ

今回の調査から、実際の賃上げ率と労働者の希望との間に大きなギャップが存在することが明らかになりました。物価上昇や将来への不安から、より高い賃上げを望む声が強まっています。企業は労働者の期待に応えるため、適切な賃金改定や働きやすい環境の整備が求められています。

引用元:Indeed、正社員を対象に「賃上げに関する意識調査」を実施。2024年度上半期の賃上げ率は平均+1.7%にとどまる結果に。対して今後の希望賃上げ率は平均+7.6%で、賃上げの実態と希望に4.4倍の差 | Indeed Japan株式会社のプレスリリース

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